【特集記事】 2014 高木サッカーのこと
本記事は2014年J2第10節 V・VAREN長崎vs.大分トリニータ戦で配布された
フリーペーパー「ナガサカ!」に掲載された記事を補筆したものです。
今年も内容のある戦いぶりで期待に応えているV・VAREN長崎。
ちょっとだけ、今年のV・VAREN長崎を語ってしまいたくなり・・こんなプチ特集。
【V・VAREN長崎の現在の状態】
現在のⅤ・ファーレン長崎のフォーメーションは3-2-4-1。
昨年の高木監督就任から採用しており、中盤に多くの選手を配してパスコースを作ると同時に、
監督の采配次第で中盤で選手同士の様々な組み合わせが可能なフォーメーションでもある。
昨年は”ハードワーク”と”堅守”で語られる事が多かったが、実際は攻守切替の早さと、
自分達からアクションを起こして攻めていく思い切りの良い攻撃が特徴の攻めのチームだった。

今年は昨年の戦い方をベースにしつつ、更にレベルアップを図っている。
特に攻撃面では東、野田と言った技術のある選手が加入しレベルアップ。
また、ボール奪取だけでなく、攻撃の起点としてのパスも出せる黒木、三原の
ボランチコンビが加わった事で更に多彩な攻めが可能だ。
守備面でもGK大久保が期待通りの働きを見せ、
CBとボランチが連動して守る事で安定感を感じさせている。
【攻撃時】
両ワイドが高い位置を取り、時には5トップ的にも。
ボランチは黒木選手がやや上がり目で三原選手が下がって守備をカバー。
これにCBの1人が攻撃参加する事もある。サイド攻撃を基本とはしているが、
相手DFの裏を狙ったり、佐藤洸がポストで落とすなど中央からも多彩な攻めを魅せる。

奥埜・東の2シャドーは中盤のビルドアップから前線の起点であり、
奥埜はゲームを作り、東が前線へ素早く切れ込む。
また、黒木から縦のボールを入れる攻めも構築中で、リーグ屈指の鋭さを身に付けつつある。
【守備時】
3バックの片方が攻めあがった際にはボランチの片方が素早くスライドしてカバー。
相手にボールが渡った時は両ワイドが最後尾まで戻って5バックのような形に入る。

5バックのラインの前でボランチを初めとする中盤がプレスをかけてボールを奪う。
一人が動いたら別の一人が必ずスライドしてカバーする動きと攻撃守備の切替スピードが生命線。
ゲーゲンプレッシング的に前で奪って攻める、攻撃的な守備が持ち味。
【セットプレイ】
今年は野田、石神、東が加わりキッカーの質が大きく向上した。
これによって新たに可能になった攻撃パターンもあり昨年より多彩なパターンが可能。
なお、セットプレイは高木監督が様々なパターンを選手に提示し、
選手らが試合でそのパターンを選択するという形が多い。
【速攻と遅攻】
一般的にボールを奪ってからシュートまで10~15秒以上時間をかけると
ゴールの確率が激減する為、現代ではボールを奪ってから3秒以内に縦に向かっていけるか
(ゴールに迫れるか)が重要と言われている。
しかし、やみくもに早さがあれば良い訳ではなく、
相手の守備が整っている場合は的確なビルドアップが求められる。
【用語の解説】
・フォーメーションの数字
試合開始時の選手の並びを表す。GKを除く後ろのポジションの人数から標記する。
DF-MF-FWの3つの数字で表す3列標記と、
3列標記のMFからボランチの人数とそれ以外の人数で表す4列標記がある。
かつては3列標記が普通だったが、数年前から4列標記が主流。
(例)
3列標記=3-6-1(DF3人、MF6人、FW1人)
4列標記=3-2-4-1(DF3人、ボランチ2人、MF4人、FW1人)
・ゲーゲンプレッシング
ゲーゲン(Gegen)とはドイツ語で「~に逆らう」を意味し、
自分達がボールを失った瞬間に、すぐにボールを奪い返しに行くプレス
(相手選手に寄ってプレッシャーをかけること)。
素早い攻撃から守備の切替で攻撃的な守備とも言える。
クロップ監督に率いられるドイツのドルトムントがこの戦術で欧州サッカーを席巻している。
・ダイアゴナルラン
ピッチを斜めに走る動き。2人が互いに斜めに走り交差する動きも含む。
斜めに動く事で縦方向のみよりも奥行きを使って、より色んな攻撃を導く事が出来る。
ゴール前の中央付近では特に有効とされている。
・ビルドアップ
最後尾からパスをつないで攻撃を組み立てること。最後尾はCBやSBが務める場合もあれば
ボランチが務める場合もあり、チームや戦略によって様々である。
長崎では比較的ボランチの黒木・三原選手が務めることが多いが、
岡本・前田選手らが最終ラインから行うこともある。
フリーペーパー「ナガサカ!」に掲載された記事を補筆したものです。
今年も内容のある戦いぶりで期待に応えているV・VAREN長崎。
ちょっとだけ、今年のV・VAREN長崎を語ってしまいたくなり・・こんなプチ特集。
【V・VAREN長崎の現在の状態】
現在のⅤ・ファーレン長崎のフォーメーションは3-2-4-1。
昨年の高木監督就任から採用しており、中盤に多くの選手を配してパスコースを作ると同時に、
監督の采配次第で中盤で選手同士の様々な組み合わせが可能なフォーメーションでもある。
昨年は”ハードワーク”と”堅守”で語られる事が多かったが、実際は攻守切替の早さと、
自分達からアクションを起こして攻めていく思い切りの良い攻撃が特徴の攻めのチームだった。

今年は昨年の戦い方をベースにしつつ、更にレベルアップを図っている。
特に攻撃面では東、野田と言った技術のある選手が加入しレベルアップ。
また、ボール奪取だけでなく、攻撃の起点としてのパスも出せる黒木、三原の
ボランチコンビが加わった事で更に多彩な攻めが可能だ。
守備面でもGK大久保が期待通りの働きを見せ、
CBとボランチが連動して守る事で安定感を感じさせている。
【攻撃時】
両ワイドが高い位置を取り、時には5トップ的にも。
ボランチは黒木選手がやや上がり目で三原選手が下がって守備をカバー。
これにCBの1人が攻撃参加する事もある。サイド攻撃を基本とはしているが、
相手DFの裏を狙ったり、佐藤洸がポストで落とすなど中央からも多彩な攻めを魅せる。

奥埜・東の2シャドーは中盤のビルドアップから前線の起点であり、
奥埜はゲームを作り、東が前線へ素早く切れ込む。
また、黒木から縦のボールを入れる攻めも構築中で、リーグ屈指の鋭さを身に付けつつある。
【守備時】
3バックの片方が攻めあがった際にはボランチの片方が素早くスライドしてカバー。
相手にボールが渡った時は両ワイドが最後尾まで戻って5バックのような形に入る。

5バックのラインの前でボランチを初めとする中盤がプレスをかけてボールを奪う。
一人が動いたら別の一人が必ずスライドしてカバーする動きと攻撃守備の切替スピードが生命線。
ゲーゲンプレッシング的に前で奪って攻める、攻撃的な守備が持ち味。
【セットプレイ】
今年は野田、石神、東が加わりキッカーの質が大きく向上した。
これによって新たに可能になった攻撃パターンもあり昨年より多彩なパターンが可能。
なお、セットプレイは高木監督が様々なパターンを選手に提示し、
選手らが試合でそのパターンを選択するという形が多い。
【速攻と遅攻】
一般的にボールを奪ってからシュートまで10~15秒以上時間をかけると
ゴールの確率が激減する為、現代ではボールを奪ってから3秒以内に縦に向かっていけるか
(ゴールに迫れるか)が重要と言われている。
しかし、やみくもに早さがあれば良い訳ではなく、
相手の守備が整っている場合は的確なビルドアップが求められる。
【用語の解説】
・フォーメーションの数字
試合開始時の選手の並びを表す。GKを除く後ろのポジションの人数から標記する。
DF-MF-FWの3つの数字で表す3列標記と、
3列標記のMFからボランチの人数とそれ以外の人数で表す4列標記がある。
かつては3列標記が普通だったが、数年前から4列標記が主流。
(例)
3列標記=3-6-1(DF3人、MF6人、FW1人)
4列標記=3-2-4-1(DF3人、ボランチ2人、MF4人、FW1人)
・ゲーゲンプレッシング
ゲーゲン(Gegen)とはドイツ語で「~に逆らう」を意味し、
自分達がボールを失った瞬間に、すぐにボールを奪い返しに行くプレス
(相手選手に寄ってプレッシャーをかけること)。
素早い攻撃から守備の切替で攻撃的な守備とも言える。
クロップ監督に率いられるドイツのドルトムントがこの戦術で欧州サッカーを席巻している。
・ダイアゴナルラン
ピッチを斜めに走る動き。2人が互いに斜めに走り交差する動きも含む。
斜めに動く事で縦方向のみよりも奥行きを使って、より色んな攻撃を導く事が出来る。
ゴール前の中央付近では特に有効とされている。
・ビルドアップ
最後尾からパスをつないで攻撃を組み立てること。最後尾はCBやSBが務める場合もあれば
ボランチが務める場合もあり、チームや戦略によって様々である。
長崎では比較的ボランチの黒木・三原選手が務めることが多いが、
岡本・前田選手らが最終ラインから行うこともある。
Posted by vista
at 17:46
│Comments(1)
│特集記事
この記事へのコメント
ペーパー版ナガサカにもありましたが、こんなわかりやすい解説があるとゲームの場面場面で高木監督の意図が見えて、より楽しめます。ありがとうございます。今後もナガサカ楽しみにしています。
Posted by binetu at 2014年05月18日 00:46